「お膳」をテーマにお伝えします。
「お膳」の膳は月(にくづき)に「善」と書くように単に食事や食卓ということではなく「身体にいいこと」を意味します。
日本食は、食材や味付け、調理法が健康的であるだけでなく、元来「お膳」によってその食べ方も健康的であるということです。
■「お膳」を体感
では「お膳」という食事スタイルが、どのようにして健康的であるかをお話ししたいと思います。
先ずは、一杯の味噌汁を飲むプロセスをお伝えするので、ぜひ食事の時に試してみてください。
食卓に一杯の味噌汁があります。味噌汁のお椀に両手を伸ばし、お椀をそっと手にとります。その時に手に伝わる温度を感じてください。
そのままお椀をゆっくりと自分に近づけます。顔に昇る湯気を感じます。湯気によって立ち昇る香りを感じます。
お椀の中を注意深く覗くと何が見えるでしょうか?はっきり見える具や濁って隠れいる具もあるかもしれません。香りから具材や味を想像してみてください。
さて、いよいよ実食です。ゆっくりとお椀を口元に運びます。香りの変化は感じられますか?ゆっくり啜ります。空気と共に啜り込まれた味噌汁は舌の上でどのような味がしますか?複雑に折り混ざった味がするかもしれません。鼻に抜ける香りはさらに深みを増しているかもしれません。
喉を伝わり胃に届く頃、身体が温まったり和らぐ感覚を覚える人もいるでしょう。残り香を感じる人もいるでしょう。
飲み慣れているはずの味噌汁ですが、いつもと何か違いませんか?
「お膳」という食事が何であるか感じられましたか?
■マインドフルネスとお膳
ところで突然ですが、みなさんは「マインドフルネス」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?「マインドフルネス」は、禅宗の座禅やチベット仏教の僧侶が習慣として行う瞑想などの効果を医学や脳科学によって研究し宗教色を取り除いた心理療法に用いる瞑想や、気持ちを落ち着かせり集中力を高める呼吸法などのことです。
瞑想は内観や内省を促すことからEQの能力開発にも効果があることが研究で明らかになっています。Googleでは社員のEQ開発のために Search Inside Yourself という独自のマインドフルネスのプログラムが行われています。
ここ数年ビジネスで特に人材育成や人事分野でバズっているワードの一つにもなっています。
マインドフルネスに”食べる瞑想””食べるマインドフルネス””マインドフルイーティング”と言われる「食べる」プロセスを使い五感を研ぎ澄ませ瞑想する方法があります。代表的なものとしては、レーズン(干し葡萄)を使うもので、レーズン一粒を手に取る(触覚)、匂いを嗅ぐ(嗅覚)、見た目をよく観察する(視覚)、舌に乗せて味わう(味覚)といったプロセスを辿ります。
もうお気づきだと思いますが、「お膳」は"食べる瞑想””食べるマインドフルネス”です。さらに優れていることは、生活習慣として継続できることです。欧米から最新エビデンスをベースにした耳慣れないことを取り入れるまでもなく、私たち日本人の文化には日常生活に心身の健康を支えるマインドフルネスが備わっていました。
食卓が欧米化することで「お膳」が失われ健康が損なわれ、生活習慣病が増えました。
「一杯の味噌汁」という昭和枯れ薄的な入りでしたが、いかがだったでしょうか?ちなみに、私は味噌汁が好きなので毎朝いただています。
「それって日本文化にあるよね」「私たちのDNAにあるよね」をEQ理論に照らして日本文化に置き換えて伝えることを私たちTH design は「氣究」として提唱しています。
日本文化の日常に備わっていた(いる?)マインドフルネスは他にもありますので、またの機会にご紹介したいと思います。
■おまけ「お膳」食事スタイルが健康的な理由のまとめ
◆食べる準備が整う
五感の刺激によって唾液が出はじめ胃腸が活発になり食べる準備が整います
◆繊細な旨味を感じることができる
人間は鼻が他の哺乳類に比べて低い分、鼻腔が広く口内の食べ物の香りを他の動物より感じることができます。味覚と共に嗅覚でも味を楽しめるように調理をし旨味を楽しむことができます。時間をかけて味わうことで深い旨味を感じられます
◆食べることに集中する
余計なことを考えず食べることに集中することで、自然の恵みである栄養を余すことなく自分の身体に取り込むことができます。自然や命への敬意を込めて「いただきます」を実践することになります。
◆五感を研ぎ澄ます
五感というセンサーの精度を高めるトレーニングになります。人が身の安全を確保したり、自分の健康状態を認知したり、氣の巡りを確認したり、自分の健康状態を確認できます。自分の心身の状態が精緻に分かるようになることは自分を知ることでもあり、EQを高めることに繋がります
こちらの記事は、場を活性化させる場活師が集うこちらのフェイスブックグループで投稿した記事の抜粋です。
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